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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 4 Dec 2015 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.43
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
大阪大学大学院連合小児発達学研究科福井校
岩堀美雪 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


平成27年は
いかがお過ごしでしたでしょうか。
アッという間に
年末年始が近づいてきましたね。

みなさんお正月を
どのように迎えられるのでしょうか。

家族団らんご自宅で迎えられる方もいれば、
旅行先でご友人と一緒に迎えられる方も
いらっしゃると思います。

はたまたお仕事に精を出していらっしゃる方や、
のんびりテレビ鑑賞で過ごされる方も
いらっしゃることでしょう。

いずれにせよ、
新鮮な気持ちをもって
新しい年を迎えていきたいですね。


それではメールマガジン スクラムネット、
43回目のリレーエッセイは

大阪大学大学院連合小児発達学研究科福井校
岩堀美雪 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

大阪大学大学院連合小児発達学研究科福井校
岩堀美雪



【ずっと応援しているからね】

みなさま、こんにちは。
大阪大学大学院連合小児発達学研究科福井校1年の
岩堀美雪と申します。

私は、今年の3月まで
福井県内で小学校教師を31年間勤めてきました。

教師は子どもたちに教えることが仕事ですが、
長い教師生活の中で
子どもたちから教えてもらったこともたくさんありました。

その中で私に最も影響を与えたことが、
「どの子にも必ずいいところがある」ということでした。
勉強はあまり得意ではなくても、
気持ちがとても優しい子どもたちをたくさん見てきました。


そんな子どもたちが中学校へ行くとき、
「学力だけがすべてじゃない。
みんなには優しさや勇気ややる気など
すばらしいいいところがたくさんあるから、
どうかそれを自分で認めて
ずっと自分のことを好きでいてね。」と伝えて、
祈るような思いで送り出してきました。
そして、
2000年から15年間に渡って
「宝物ファイル」という独自のツールを使って
子どもたちの自己肯定感を育てる取り組みを行ってきました。


ただただ
目の前の子どもたちのためにと思って始めた宝物ファイルプログラムは、
「自信のなかった子が体育大会の応援団長に立候補してやり遂げた」
「けんかが極端に減って友達と仲良くできるようになった」
「親に反抗しなくなった」等
びっくりするほど効果がありました。
それで、この宝物ファイルプログラムの効果を
科学的に証明してさらに広めたいと願い、
昨年54歳で受験を決意しまして、
現在社会人学生として大学院に通っています。


大勢のお子さんを担任してきましたので、
たくさんの思い出があります。
その中から、
今回は、ある小学3年生の男の子のお話をさせていただきます。



4月当初の彼は、授業中もなかなか席につかず、
教室の隅っこに座り込み、
私と目が合うと「ううーっ。」と唸り、
上目使いで睨むように私を見ていました。

どうにかして席に着かせても、全くやる気なし。
教科書やノートをまともに開けようとはしませんでした。
宿題もやってこない日の方が多く、
やってきたとしても、二つのうち一つだけ、というような状態でした。
友達に対して、些細なことで腹を立て、
毎日喧嘩が絶えませんでした。
クラスのみんなが使っている漢字や計算のドリルも
どんどん遅れていきました。
授業の終わりに、
「このページまで直し終わった人から休み時間にしようね。」と言っても、
途中で遊びに行ってしまって、
気がつくと教室にいないということも度々ありました。


そんな彼に対して、
どうするといいのか最初は手探り状態でした。
まずはできることから始めてみようと思い、
放課後の個別指導をすることにしました。
どうにかみんなに追いつき、
授業の時に同じスタートラインに立てることを目標に、
週1回程度、3時過ぎから5時半までの個別指導を始めました。

最初の頃は集中力がなかったものの、
途中から少しずつ集中して漢字の書き取りができるようになってきました。
指を使って足し算や引き算をしていたので時間がかかりましたが、
計算も少しずつ正確にできるようになってきました。
並行して宝物ファイルの実践も行っていました。
私は彼と過ごす時間が増えるに連れて、
優しくて家族思いの一面があることを知りうれしく思っていました。


2 学期になると、
「先生、今度いつ放課後の勉強やるんですか?」と聞きに来て、
放課後の勉強を楽しみにするようになってきました。
嫌がる様子は全くありません。
宿題も、1学期に比べると提出する日が増えてきました。
そして・・・。2学期途中の算数。
ある単元のまとめのテストで、
何と彼は満点を取ったのです。
クラスで4人のうちの一人でした。
嬉しそうな顔でした。
以来、周りの子からも
「○○(彼の名前)はやればできるんじゃないの。」と
認められるようになってきました。
宝物ファイルの活動で友達同士いいところを書き合った時も
「算数の勉強をがんばっている。」と書かれてとてもうれしそうでした。


そして、迎えた3学期。
もう宿題を忘れることはなくなりました。
休み時間になっても、
ドリルやプリントの直しをせっせと持ってきていました。
友達とけんかすることもほとんどなくなり、
仲良く遊べるようになりました。

ある日の4時間目の終わりのこと、
「もう給食の時間になったから、
このドリルの直しは給食が終ってからね。」
そう言って私は手を洗い、
おかずを分けるのを手伝い始めました。
そして、
何気なく自分の教師机の方を見ると・・・。
誰もいない机に向かって、
彼がせっせとドリルの直しの続きをしていました。
一心不乱に問題に向かう小さな背中。
その背中を見ながら、
私は、4月当初の様子を思い出し、
「よくぞここまで成長してくれた。」と涙が出ました。

さらに、3月に、「3年生になって成長したこと」を書いた時のことです。
彼が、「書きました。」と持ってきた紙には、
10個ほど書いてありました。
「二重とびができるようになった。」
「とび箱の6段がとべるようになった。」などに交じって、
「勉強が好きになったこと。」という言葉もありました。
それもうれしかったのですが、
私が何よりうれしかったのは、この一文を見つけたときでした。


「自分のことが好きになったこと。」


驚きました。
まさかこんなことを書いてくるなんて
思いもよらなかったからです。
私は、
「自分ができるようになったことも書くといいよ。」
という言葉をかけただけで、
「自分のことを好きになったかどうかについて書くといいよ。」
とは一言も言っていませんでした。
思わず、「今までは好きじゃなかったの?」と聞きました。
すると、
彼は真っすぐに私の目を見つめて、
「はい。嫌いでした。」と答えたのです。
胸が詰まりました。
と同時に、
自分のことが好きになってくれて本当によかったと思いました。


その学校は
5年生になるときにクラス替えを行っていました。
3年生から4年生に上がるときはクラス替えがありません。
ですので、
私は彼が4年生になっても
このクラスを持ち上がりで担任したい、させていただけると
信じていました。

3月も終わりの頃、
朝微熱があったにもかかわらず登校してきた彼は、
午後から熱が上がってきました。
お母さんに連絡をして迎えにきてもらうことになり、
お迎えの時間までの間
保健室で休ませてもらっていました。
私が職員室に戻ると、
校長先生から呼び出しがありました。
「4月から5年生を担任してほしい。」
「えっ・・・」
寝耳に水の話でした。
「今やっとクラスのまとまりが出てきて、
勉強が遅れがちだった○○も
みんなと一緒に勉強できるようになってきたところなんです。
今が大事な時期です。
新5年生が嫌というわけではなくて、
もう1年今のクラスを持ち上がらせていただきたいのです。
その後であればどこのクラスでも行きますから。」
と、お願いしましたが
校長の意見は変わりませんでした。

一時間ほどして
彼のお母さんがお迎えに見えました。
私が保健室へ行くと、
お母さんに付き添われた彼が出てきたところでした。
「3年生になるまでは、
病気じゃなくても学校を休みたいと言っていたこの子が、
今では熱があるのに学校に行きたいと言うのですよ。
先生、本当にありがとうございました。」
そして、玄関を出てから振り返り、
「来年も岩堀先生ですよねっ。」とおっしゃいました。

ほんの何分か前に
校長から新5年生の担任を頼まれた私は、
一瞬言葉に詰まりました。
「私は持ち上がりを希望します。
でも、最後は校長先生のご判断です・・・。
でも私は希望します!」
そんな会話の後、
保健室に戻って涙が流れました。
その後、何度か校長のところに頼みに行きましたが、
私の希望は通りませんでした。


担任発表の日までに、
私はクラスの子どもたち一人一人にお手紙を書き、
新任式の日に渡しました。
また同じ学校内で会えるし、
新しい先生にも早く馴染んでほしいから
泣かないでおこうと決めていました。
涙をぐっとこらえながら手紙を渡した後、
新しいクラス(新5年生)へ行き、
挨拶をしたり配布物を配ったりして帰る時間になりました。
さよならの挨拶をして教室を出ると、
3階の廊下の曲がり角のところに彼が立っていました。
私を待っていてくれたのです。

私の顔を見るなり、
「ぼく・・・ぼく・・・岩堀先生がいいです・・・。」と言って
彼は泣き出しました。
「ごめんね・・・ごめんね・・・
先生ももう1年間担任したかった・・・」
泣かないと決めていたのに、
やっとのことでがまんできたと思っていたのに・・・
彼の肩に手を当てたまま、
涙がぼろぼろと流れました。
「どこにいても・・・ずっとずっと・・・
応援してるからね。」
そう言うだけが精一杯でした。


その後、担任を離れても、
他の教え子と同様に
彼のことも委員会やクラブ、職員室での話題の中で
ずっと気なっていました。
6年生になり、
卒業式を間近に控えたある日、
彼はお母さんに連れられて転校していきました。
こんな卒業ぎりぎりの時期に転校して
4月から新しい中学校で友達ができるだろうか・・・。
心配と同時に、「元気でね・・・」と心から祈りました。

以来、心の中でずっと応援し続けています。

今の私には
彼のために直接できることは何もないかもしれないけれど、
彼の幸せを心から願っています。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:年長クラスに所属する
発達障害のある男の子(Aくん)です。

園ではお昼ご飯のあと、
歯磨きをしてからお昼寝までの時間は
自由時間(遊び)という流れになっています。

Aくんは、お昼ご飯を食べ終わると、
歯磨きをせずに遊びに行ってしまい、
そこで声かけをしても「後でする〜」と言って
すぐにはしてくれません。

遊びを終えても、
声かけしないと歯磨きするのを忘れていて、
結局しないままお昼寝をしてしまうこともあります。

遊びを終えて覚えていると歯磨きはしっかりしてくれるのですが、
歯磨き以外のことでも、伝えたことができていなかったり、
忘れていることがよく見られます。

園では、
『歯磨きをしてから遊ぶ』という個別支援目標を立てて、
お昼ご飯を食べる前に
その後の予定(歯磨きすること)を伝えたり、確認したり、
食べ終わるころを見計らって声かけをするなどしましたが、
状況は変わっていません。

現在行っている対応のほかに
何か方法があるのでしょうか?



A:Aくんの様子から、
覚えているときもあり、
そのときは歯磨きをされるとのことですので、
歯磨きをすることが嫌というわけではないようですね。

発達障害の診断を受けられているとのことですので、
行動の途中に気になるもの(こと)があると、
注意が向きやすいという特徴もあるのかもしれませんが、
Aくんの場合、もしかすると、
聞いてはいるものの、
記憶しておくこと(記憶の保持)が苦手なのかもしれません。

おやつのあとの歯磨きへの流れがどうなっているのかわかりませんが、
よくある流れとしては、
食べ終わったあと食器を片づけて、
別の場所に置いてあるはみがきセットを取りに行って
洗面所で歯磨きするになります。
こうした流れになると、歯磨きまでの工程が少し長くなり、
記憶を保持しておくことが難しくなってしまいます。

そうした流れや園で立てられた計画になると、
「はみがきをしてから遊ぶ」という行動だけでなく、
「忘れず覚えておく」ということもAくんはしなければいけなくなり、
目標のハードルが高くなってしまいます。

まずAくんが確実に行動できるよう
スモールステップですすめていくことができればと思います。
その対応方法としましては、
ご飯を食べる前や食べ終わるころではなく、
先ほどの流れの中でいうと、
食器を片づけたあと(直後)に声かけをしたり、
歯磨きのカード(記憶の保持を助けるもの)を
渡すなどしてみてください。

最初は
歯磨きをするところまで、終えるまで
の様子を見てほしいと思います。

そうした対応を繰り返し行い、
正しい行動がルーティン化できるといいですね。

できたらたくさんほめて、
次のステップに進んでほしいと思います。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成28年
1月13日(水):敦賀(あいあいプラザ)
1月14日(木):勝山(すこやか)
1月15日(金):福井(福井市保健センター)
2月28日(日):小浜(サン・サンホーム)
3月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月10日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月11日(金):福井(福井市保健センター)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



○平成27年度 子どもの心の診療医 養成研修

平成25年度にスタートし、
多くの皆様から好評をいただいた
「子どもの心の診療医養成研修」を、
今年は、ステップアップ研修として充実した内容で実施します。

≪実践講座≫   
3年目のステップアップ研修会です。
昨年の症例を交えた講義を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。

【講義】
<嶺北>
日時:平成27年12月12日(土) 18時〜21時
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年12月13日(日) 9時〜12時
場所:ニューサンピア敦賀 気比の間
定員:40名

内容:講義「医師のための親ガイダンス研修」
      〜ペアレントトレーニングを通して〜
      講師:山形大学医学部看護学科教授 横山浩之先生
   支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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