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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 4 Mar 2016 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.46
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
医療法人さくら会 ふじさわ小児科医院
小児科医師 臨床発達心理士 藤澤和郎 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


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ときおり冷たい風は吹きますが、
はや3月となりました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。


少し早いのですが、
4月の「世界自閉症啓発デー」について
お話しさせてください。

毎年4月2日は国連の定めた
「世界自閉症啓発デー」です。
あわせて4月2日から8日までは
「発達障害啓発週間」として位置づけられており、
全国でランドマークのブルーライトアップや、
講演会、シンポジウムが開催されるなど、
各種イベントが予定されています。

スクラム福井では4月2日に県立図書館で
セミナーを開催する予定です。

ぜひホームページをチェックしてみてくださいね。


それではメールマガジン スクラムネット、
46回目のリレーエッセイは

医療法人さくら会 ふじさわ小児科医院
小児科医師 臨床発達心理士 藤澤和郎 先生 より
お送りさせていただきます。


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【リレーエッセイ】

「フィールドワークから学ぶ」

医療法人さくら会 ふじさわ小児科医院
小児科医師 臨床発達心理士 藤澤和郎


福井医科大学小児科に在籍後、
小児科医院を開業して十数年です。

専門診療からは大きく離れていて、
ここに原稿を寄せることが適任だとは思えません。

平成12年に
地域の小学校の学校医を引き受けて以来、
学校での健康相談活動を続けてきました。

困り感のある子ども達や保護者たちと接してきましたので、
そのことについて書いてみようと思います。



皆さんは学校医に対して
どのようなイメージをお持ちでしょうか。

私が持っていた学校医のイメージは、
「内科健診で聴診する」というだけのものでした。


例えば
低身長で受診された方の問診で、
学校で小柄であることを指摘されたというのは少なく、
「学校で計測しているのに
何故低身長に気付かないのか」と
疑問に感じていました。

そのようなこともあって、
学校医を引き受けるならば
積極的に学校と関わってみようと考えました。


当時の校長先生が、
私が中学のときの体育の先生だったという偶然もあって、
月1回の健康相談会を始めることができました。

(学校保健安全法施行規則第22条に、
学校医の職務が規定されていて、
その中に
「学校においては、児童生徒等の心身の健康に関し、 
健康相談を行うものとする。」とあり、
法律的背景を有しています。)

私は学校健診での事後措置としての相談を期待していました。
しかし
相談会の事例の大半は、今で言う「発達の問題」でした。

私が学生時代に使っていた小児科学の教科書には、
てんかん、自閉症と
微細脳障害症候群(MBD)くらいしか書かれていませんでしたし、
私にとって小児神経の領域は、
最も苦手意識が強くて
理解できていない領域でした。

健康相談会で学校から示される子どもたちの情報は、
不登校、情緒障害や場面緘黙などの
教育関連の言葉で示されていました。

また
保護者から伺う家庭での状況や学校での状況と、
Nelson等の小児科の教科書の記載を
重ね合わせて理解することができないことも多く、
理解を深めるために
学習障害などの教育関係の書籍や、
behavioral science等の書籍を読みあさったりしてきました。

今思うと
初期の相談については、
非常につたない対応しかできていなかったと反省しきりです。



学校で大変とされる事例には
対人関係の問題が多いのですが、
それらが早い段階で
医療につながっていることは多くありません。

教員から学校での対処方法などを相談されることも多く、
保護者に学校での状況を説明しても協力的でないとの
ぼやきも聞こえてきます。

学校での健康相談会だからといって軽いものだけではなく、
早く医療に繋げたいと思うものまで
程度は様々です。

教室や学校といった大きな集団の中で見られる様子が、
家庭や診察室では見られないことも多くあります。

子ども達の様子に対する保護者の感じ方、学校の感じ方に
大きな乖離があることも少なくありません。

また、
これらのお子さんや保護者にとって
医療機関を受診することはハードルが高いことのよう感じます。

その理由として
1つは、子どもたちの学校での行動や振る舞いとして現れる問題が
医療につながる問題となることを
理解いただけないことがあります。

もう1つは、
受診とは検査されて診断されることであり、
服薬につなげられることとして捉えられていることです。

医療へのハードルの高さを考えると、
学校だからこそできる相談も多くあると思っています。
学校のみの活動では限界がありますので、
相談を繰り返しながら
その中で、
WISCなどの検査が
認知特性を理解して支援の方向性を知るための検査であることや、
服薬が子ども達の行動の下支えをするものであることを伝えていきます。



月1回の健康相談会も15年目に入りました。

相談、診療してきた子ども達は
すでに大学生になっています。

私も彼等の成長とともに
発達の問題を勉強してきたつもりではありますが、
未だに十分なものではありません。

しかし
地域の子ども達の困り感に
少しでも支援していけるよう、
自分自身のブラッシュアップとともに
健康相談会を続けていきたいと考えています。



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【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:おしゃべりが止まらない児童がいます。

途中でさえぎっても効果はなく、
思いつくままに話題を次々と変えて、
相手の困っている雰囲気や場面も気にせずに
一方的にしゃべり続けます。

どのような対応や支援が考えられるでしょうか。


A:この児童の場合は、
言葉を流暢に(時には年齢不相応なほど
大人びた言葉や表現を使って)
話すことができるので、
一見コミュニケーションに問題はないように思えます。

そのため周りにも気づかれにくく、
「相手の気持ちや場の雰囲気を考えない自分勝手な子」などと
否定的な評価や対応を受けることが多くなり、
次第に人との関係を築くのに
苦手感や困難を覚えるようになる子もいます。

そのようなことになる前に、
できることを考えていきましょう。



思いつくままに話を続けてしまうのは
「同時処理」が苦手な場合に多く起こります。

自分が話したいことを
「今、この場所で、この相手に」話しても良いのか
という判断をして話し始めるのには、
瞬時にたくさんの情報をキャッチして判断し、
自分の行動をコントロールする必要があります。

この同時処理の能力については
即時に身に付けることは難しいですが、
脳の働きのバランスが崩れていることが原因ですので、
まず体の動きの方から
アプローチすることが有効なこともあります。


具体的には、
ジャングルジムのような
「掴む + 頭を低くする + くぐる」と
動作の同時処理が行われる遊びを
積極的に取り入れていくとよいでしょう。



また、
「情報のキャッチ」や「判断」の部分に
困難を抱えることもあります。

話している時の相手の反応
(表情・身振り・視線など非言語で明確でないもの)や
その場の雰囲気を読み取ることが苦手なので、
その情報を受け取れません。
そして
本人には相手を困らせようと思う気持ちは全くないにも関わらず、
「話し続けても大丈夫(興味を持って聞いてくれている)」と、
相手の気持ちや場面にそぐわない判断をして
話を続けてしまうのです。

このような子の場合は、
短い言葉をそのままの意味で理解することが得意なことが多いので、
「今は話しません」などと
伝えたいことを短く明確に言語化して話すことが必要です。



自分が話しているほどには話の内容を理解していない場合があったり、
相手が話していることは理解できない子もいます。

端的な言葉でも伝わらない時には、
視覚的なもの
(唇にバツ印を付けた絵や静かにしている様子の写真等)を
提示することを試してみてください。



おしゃべりが口の多動性や衝動性として現れていることもあります。
この場合はそうすることで自分を落ち着けていたり、
また無意識に話していることも多く、
自分でコントロールすることが難しいです。

思いついたことや見たことや
自分の話している言葉自体が刺激となって
次々に話が展開していってしまいます。

相手の存在を意識していない様子が見られる場合には、
相槌や質問をするなどしてみましょう。

視覚的なものが有効な場合もありますし、
別の場面で会話のルールを学習したり、
事前に話す内容を整理できるように
手助けすることが役に立つこともあります。


いずれも、
話すのをやめることができたら、
たくさん褒めてあげましょう。

「話してもよい」時間を
別に確保することも大切です。


このように、
保育士の目に見える「困った」行動が同じでも、
それに対しての支援を考える時には、
本人がどんな理由で「困っている」のか、
また逆に
「困っていない(得意なところ)」はどこなのか、
を見極めることから始めるのが肝要です。


福井県が作成し普及が進んでいる
「子育てファイルふくいっ子」はその為のツールであり、
これまで多くの保育士の皆さんに
活用していただいておりますが、

まだ使ったことが無い方は
是非この機会にお手に取ってみてください。

使い方の研修については
来年度も予定しておりますので、
参加についても是非ご検討いただければと思います。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○福井大学「子どものこころの発達」
公開シンポジウム
〜子どものこころの先端研究と抜本的教育改革を結ぶ〜
日時:平成28年3月6日(日) 13:00〜16:00
場所:福井大学文京キャンパス 総合研究棟?13階会議室
基調講演:「教育への応用を目指す脳科学研究と
その成果を踏まえた教員養成教育への期待」
講師:徳永 保 先生(筑波大学教授)
シンポジウム
「子どものこころの発達研究の成果を教育現場へ」
座長:上田孝典 先生
(理事・副学長、子どものこころの発達研究センター長)
ほか
定員:200名
参加費:無料

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



○JDDネット福井&NPO法人はるもにあ講演会
「発達障がいのある人の輝くキャリアのために」
日時:平成28年3月6日(日) 10:00〜12:00
場所:福井県立大学交流センター3階多目的ホール
講師:高橋亜希子 先生
(株式会社エンカレッジ京都三条管理者・サービス管理責任者)
定員:120名
参加費:無料

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



○世界自閉症啓発デー 自閉症啓発セミナー2016
主催:福井県、福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
日時:平成28年4月2日(土) 13:30〜16:30
場所:福井県立図書館 多目的ホール
内容:自閉症をはじめとする
発達障害への理解を深めていただくことを目的に、
各ライフステージ
(幼児期、学齢期、成人期、親の立場)における支援や対応、
現状についての講演会
参加費:無料

※詳しくは
スクラム福井HP 研修会のご案内
をごらんください。


○「世界自閉症啓発デー」映画上映会
主催:福井県生涯学習センター
日時:(第1回)平成28年4月3日(日) 10:00〜11:40
(第2回)平成28年4月9日(土) 10:00〜11:20
場所:福井県生活学習館(ユー・アイふくい)
内容:自閉症の理解促進に寄与する映画の上映会
(第1回)『ぼくはうみがみたくなりました』
(第2回)『ちづる』
参加費:無料


○発達障害啓発コーナーの設置
主催:福井県立図書館
日時:平成28年3月25日(金)〜平成28年4月10(日)
場所:福井県立図書館
内容:発達障害関連図書の紹介、パネルの設置

※このほかの県内関係団体等の取り組みにつきましては
福井県HP
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shougai/jiheisyoukeihatude-_d/fil/004.pdf
のページ「取り組み一覧」をご覧ください。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成28年
3月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月10日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月11日(金):福井(福井市保健センター)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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