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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 6 May 2016 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.48
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学子どものこころの発達研究センター
高田紗英子 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


新緑の季節になってきました。
暖かい日も多くなってきましたね。

今年の春から新しく入学や就職した方も
周囲の環境に馴染んできたころでしょうか。


それではメールマガジン スクラムネット、
48回目のリレーエッセイは

福井大学子どものこころの発達研究センター
高田紗英子 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

福井大学子どものこころの発達研究センター
高田紗英子


皆様、はじめまして。
この4月から
福井大学子どものこころの発達研究センターに
着任いたしました、
臨床心理士の高田紗英子と申します。


まずは少しだけ、
自己紹介をさせていただければと思います。


私の出身は兵庫県で、
中学・高校と地元の学校に通っていました。

大学進学時には、
「英語と心理学を両方学びたい」という単純な理由から、
アメリカの大学に進学し、
臨床心理学を専攻しました。

帰国後は大阪大学大学院に進学し、
修士論文では
里親・養子縁組家庭で育った方の自己受容プロセスについて
研究を行いました。

臨床心理士の資格を得てからは、
児童養護施設、学校現場、心療内科、精神科等々
さまざまな現場で実践を積んでまいりました。


ここ数年、主に携わってきたのは、
事件や事故、災害など
何らかのトラウマ体験に遭遇し
PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された方々です。

自分や自分の大切な人が、
死んでしまうかもしれない重篤で悲惨な出来事に巻き込まれたあと
心身に起こるさまざまな反応を
「トラウマ反応」といいます。

ひどい体験をしたあとで、
心身が一時的に不調になるのはごく自然な反応ですし、
大きな災害や事故にあった人が、
必ずしも全員トラウマに悩むというわけではありません。

トラウマの受け止め方には個人差があります。
しかし、トラウマによる影響が1ヵ月以上続き、
それによって日常生活が困難になっている場合、
「PTSD」という診断がつくことになります。


アメリカの精神医学会による診断基準では、
PTSDの症状は4つにわかれています。

まずは、
「侵入症状」とよばれ、
自分の意思とは関係なく
トラウマとなった出来事が頭の中に繰り返し、蘇る状態で、
フラッシュバックとも呼ばれます。

2つめは「回避症状」と呼ばれ、
トラウマに関連した考え・気持ち・思考を持たないようにしたり、
トラウマを思い出させるものを避けること
(例えば、水難事故に遭った人がお風呂に入れなくなるなど)
を指します。

3つめは、
「認知や気分の異常」といって、
トラウマに関連した重要な部分を
思い出すことができなくなったり、
過度に自分を責めたり、
これまでは楽しめていたことが楽しめなくなったり、
他者との交流を避けるなど、
社会生活が阻害されてしまいます。

最後は「覚醒や反応性の異常」といって、
少しの刺激で過剰に反応したり、
イライラしやすくなったり、
集中困難や睡眠困難というかたちで表れます。



PTSDの患者さんへの治療法はさまざまありますが、
治療のスタート地点であり、
治療全体を支える基礎となるのは
「心理教育」であると私は考えています。


「心理教育」とは、
本格的な治療に入る前に、治療者との面接で、
「トラウマとは何か」、「PTSD症状とは何か」を
学ぶことを指します。
この心理教育は、
状況に応じて、治療に入ってからも繰り返し行います。
心理教育を行うメリットは、以下の4つがあります。



1、	PTSD症状を理解できる

2、	PTSD症状は、
「異常な出来事」に対する
「正常な反応」だと考えられるようになる

3、	トラウマ体験により、
考え方が変化していることを自覚できる

4、	回復の見通しを立て、
患者さん自身に本来備わっている回復力を引き出すことができる



これは、発達障害の子どもさんや、
発達障害のお子さんを持つ養育者の方々にも、
役に立つ考えではないかと思っています。


近年ではメディアの情報もあり、
一般の方でも発達障害に関して
さまざまな情報にアクセスすることができます。

試しにGoogleで「発達障害」と検索すると、
なんと11,900,000 件のヒットがありました。

その中の情報は玉石混淆で、
お一人お一人にぴったりくる答えを見つけるのは、
相当の難しさがあると思います。

ですので、
まずは親御さんが「発達障害とは何か」、
「発達障害の症状にはどんなものがあるのか」についての
正しい知識を持つことが大切になるかと思います。

そしてゆくゆくは、お子さんと一緒に
発達障害についての理解を深めていくことも
必要になるかもしれません。

「なんだか分からないけど、困ったな」という状況は、
かなりストレスフルなものです。

ひとりで悩まず、
お子さんのことで気がかりなことがある場合には、
周りの人に相談してください。

障害について、正しく理解することは、
怖いことではありません。

障害について、正しく理解することは、
きっとお子さんや親御さんの役に立ちます。


私も、正しく、お役に立てる知識を
皆様と共有できるよう、
精進していきたいと思います。


どうぞよろしくお願いいたします。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:いつもひもをひらひらさせて遊んでいます。

次の活動に誘っても、なかなか向かえないことが多いです。
 
また、
友達の遊びに関心を示すこともないのですが、
今後どのように遊びを広げていったらいいでしょうか。



A:自閉スペクトラム症の子どもは
ひらひらするもの、キラキラ光るもの、
くるくる回るもの、水の流れや水しぶきなどに
見入ったり、惹きつけられる傾向があります。

一見
「何がそんなに面白いの?」
「飽きずによく見ていられるなぁ」と思うことに
夢中になっているかもしれませんね。


次の活動に誘う際には、無理強いせず、
興味のあること・熱中していることに、
子どもの目線になって一緒に注目してみましょう。

日頃から子どもの好む刺激を把握し、
無理に好みを変えようとせず、
その刺激の面白さを保育士も分かっているということを伝えましょう。
そして
気持ちが切り替えられるように、
目と目を合わせてこれから行う活動の話をし、
集団で遊ぶことにも興味を持てるようにします。
子どもに合わせて、
言葉とともに絵や写真を見せて誘うのも有効でしょう。

刺激が目に入らないようにし、
別の対象が注意を引くように工夫すると、
気持ちを切り替えやすくなります。


自閉スペクトラム症の子どもは
興味や関心の幅が狭く、
“一緒に遊んで楽しい”という経験が少なかったり、
遊びらしい遊びを知らなかったりするために、
同じ遊びを繰り返してしまうことがあります。


人への興味・関心が薄いことが考えられる場合、
無理にその遊びをやめさせたり、
強引に他の子どもたちの遊びに入れようとするのではなく、
保育士が寄り添い、関心が持てる遊びを見つけていきましょう。


まずは子どものしている遊びを見守り、観察しましょう。
それから保育士が横で同じ遊びをして見せることで
他者への関心を促しましょう。
だんだんと「こんなのもあるよ」と
少し違う遊び方をしたりして真似を促します。
保育士と一緒に遊べるようになったら、
そこへ友達を誘ってみましょう。
保育士が仲立ちし、
友達と関われるように援助し、
楽しさを味わえる(楽しさが分かる)ようにします。

いずれの場合も焦らず、
一人ひとりの子どものペースに合わせて
働きかけることが大切です。

ぜひ、
子どもの生活全体を捉えながら、
子どもの発達を見つめる視点を
これからも持ち続けてほしいと思います。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○福井大学公開講座
「子育て支援の意義を確認する」
〜児童虐待といやされない傷〜
日時:平成28年5月28日(土) 10:30〜11:30
場所:福井大学総合研究棟1 13階大会議室
講師:友田 明美 先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター教授)

対象:どなたでも
受講料:無料
問合せ:福井大学地域貢献推進センター(0776-27-8060)

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



○自閉症・発達障がい者の生活を支える親子のセミナー
「自分のことは自分で決める」
〜自分が主人公の暮らしをするために〜
主催:にこにこクラブSUNFISH
講師:奥平綾子@ハルヤンネ 氏
(株式会社おめめどう代表取締役)
講師:大西俊介@syun 氏
(兵庫県立福祉のまちづくり研究所
障害支援団体「といくらふと」代表)
 
<1日目>
日時:平成28年5月28日(土) 10:30〜15:30
場所:福井市文化会館4階大会議室
対象:福祉・教育・医療で障害児者の支援に関わる方
ご本人、ご家族、関心のある方どなたでも
参加費:1000円
 
<2日目>
日時:平成28年5月29日(日) 10:15〜12:15
場所:福井市文化会館2階第2会議室
対象:家庭や支援の場で実践されている方
参加費:500円
 
問合せ:にこにこクラブSUNFISH
0776-26-3787
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成28年
5月11日(水):敦賀(あいあいプラザ)
5月12日(木):勝山(すこやか)
5月20日(金):福井(福井市保健センター)
6月16日(木):鯖江(アイアイ鯖江)
6月22日(水):越前(越前市健康福祉センター)
7月6日(水):敦賀(あいあいプラザ)
7月7日(木):大野(結とぴあ)
7月15日(金):福井(福井市保健センター)
9月7日(水):敦賀(あいあいプラザ)
9月8日(木):勝山(すこやか)
9月16日(金):福井(福井市保健センター)
10月19日(水):鯖江(アイアイ鯖江)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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