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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 3 Jan 2014 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.20
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学 保健管理センター
准教授 細田憲一 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... 手記
ペンネーム お年頃の娘の母 様 より

3..... セミナー・研修会などの案内


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


新年あけましておめでとうございます。
平成26年。今年はどんな年になるのでしょうか。
わくわくしますね。


おかげさまで、メールマガジンスクラムネットも
今回で20回目を迎えました。
今年もひきつづき
みなまさのお役に立てますよう、
様々な情報を発信していきますよ。

そして、
これまで情報提供していただきました皆様には
あらためて御礼申し上げたいと思います。

これからもよろしくお願いします。


それではメールマガジンスクラムネット、20回目のリレーエッセイは
福井大学
保健管理センター 准教授
細田 憲一 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

福井大学 保健管理センター
准教授 細田憲一



新年明けましておめでとうございます。

福井大学保健管理センターの細田憲一です。


1月は大学における発達障害学生の実態とその支援についてお話したいと思います。



「全国的な動きと福井大学の状況」

この1,2年の間に、大学や高専などから
自閉症スペクトラム(ASD)を中心とする
発達障害学生を支援する取り組みが
数多く報告されるようになりました。

発達障害学生に対する組織的支援の取り組みは、
富山大学や信州大学などが
学生支援GP予算を獲得した2007年度からスタートしています。

福井大学文京キャンパスでも、
組織的な受け入れ体制は整っていなかったのですが、
2007年4月から
個別対応を始めました。

県外の保護者からの依頼がきっかけでした。
母親が教育関係者で、
息子をアスペルガー症候群であると考えていました。


結局、
この2007年度には、
診断のある3名を含めて
11名に発達障害を考慮した支援をしました。

このとき
発達障害の特性や個別対応を一緒に考えていただいたのは、
当時、
文京キャンパスの精神科学校医として
月2回お越しいただいていた小坂浩隆先生です。

小坂先生とのやり取りを通して、
私自身も発達障害への理解を随分と深めることができました。

その後も
発達障害と考えられる学生が年々増え続け、
2012年度に対応した発達障害の学生は
63名となりました。

支援は、
個別対応とコンサルテーションの二本立てです。

発達障害学生の支援には、
かなり手を取られますし、
一般学生の相談も増加する一方でしたので、
文京キャンパスでは、
マンパワーがすでに限界に達していました。

そこで
2011年12月に
学生総合相談室を設立して対応することになりました。


福井大学で組織的対応が可能となったのは、
学生総合相談室が発足した次の年度、2012年度からです。
常勤カウンセラー2名を含め
学内事情に精通した事務職2名を加えて
計4名からなる組織です。

学生総合相談室の特徴としては、
発達障害の学生が
一般的に配慮要請行動を苦手としているという特性を考えて、
履修登録時に実施するアンケートを基にして、
学生に対して積極的にアプローチする方策を取っているということです。

先進的と言われている大学も、
そこまでは踏み込んでいないのが実状です。

このために
学生総合相談室が機能し始めた2012年度は、
診断を持たない者も含めると
63名の発達障害の学生を支援することになりました。

福井大学の発達障害学生支援は、
富山大学などと同様、
診断の非重視という立場を取っています。




「大学での具体的支援内容」


大学生活を送る上で
発達障害学生が遭遇する問題は数多くあります。

高校から大学へ、
また家族生活から単身生活へなど、
環境の変化は一番苦手とする問題です。

また、
仲間や友人が作れない、
仲間とうまくいかない、
履修登録の方法がわからないなどの問題が発生します。

そして何とか大学生活に慣れた頃には、
グループ活動に参加できない、
レポートを作成できないなど、
履修に関する問題が浮上します。

ようやく単位を揃えて最終学年になると、
就職活動に対する不安や就職活動での傷つき、
就職活動と卒論の同時遂行困難などの問題が連鎖的に発生します。
この時期が発達障害学生支援では、
最大の関門といえます。

ここでの挫折感は、
不登校・引きこもり状態・うつ状態などを引き起こすことが多いのです。

以上のように
学年進行とともに次々と問題が出てくるのが発達障害学生の特徴です。

これらの学生の困り感には個人差がありますので、
ていねいに耳を傾けること、
そして
具体的な計画を立てることに時間をかける必要があります。
これが個別支援です。

個別相談から得られた情報を基に
助言教員や保護者とともに
多角的支援を検討する場、
これがコンサルテーションです。

一般学生の心理相談では、大抵、
数回から10回前後の面談で終了しますが、
発達障害の学生たちはなかなか問題を解決したという状態になりません。

常にいくつかの問題を並行して抱えていますので、
卒業まで(あるいは卒業後も)
相談が終わらない状態が続きます。

このように
発達障害の学生支援では、
入学直前から入学直後への高大移行支援、
入学から卒業までの修学支援、
卒業直前から就職定着までの就労移行支援へと
切れ目のない支援が必要となります。




「支援された経験が重要	」


問題への取り組み方やモチベーションには、
個人による大きな違いが見られます。

発達障害に対して
家族や周囲の理解が得られ、
大学までの学校生活で支援を受けた経験を持っている学生は、
相談しながらでも
比較的スムーズに問題を乗り越えていきます。
うまくいかないときも
粘り強く取り組む姿勢が見えます。

自分の意思で乗り越えようとする分、
人間的成長や自立に向けた歩みも感じられます。


一方で
本人や家族が障害特性に気づいている・いないは別として、
援助や支援を受けた経験を持たない学生を支援する場合には、
かなり困難を感じます。

休学や留年を繰り返すことが多く、
最終的には退学せざるを得ない学生もいます。

この事実は、
支援を受けながらも
問題を乗り越えた経験があるのとないのとでは、
今後の社会生活でも大きな違いが生まれることを示唆しています。

大学は学校生活の最終段階ではありますが、
せめて
この段階ででも支援される体験を積んでほしいと思います。

自立力は、
依存したり依存されたりしながら
ゆっくりと育っていくものだと考えています。

社会資源を利用しながらでも、
自立への道を着実に歩んでほしいと願っています。




「今後に向けて」


大学での支援は開始されたばかりですので、
課題はいくつもあります。

今一番の課題は、出口の問題です。


就職活動の際の障害告知や、
教員養成課程で修学する発達障害学生の卒業後のことなど、
私たちには未体験の領域です。

すでにハローワークや障害者職業支援センター、
サポステふくいの方々との連携はすすんでいますが、
さらに多くの方々との連携が必要だと考えています。


読者の皆様にも、
連携とご協力を是非お願いしたいと思います。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。




Q:年長の男の子ですが、
特別支援学級が良いか普通学級がいいか、
保護者であるご両親が悩まれています。

どのように関わっていくのが良いでしょうか?



A:年長の今、お子さんの園での様子はどうでしょうか。

まずは、
平素から、時間に沿って所定のお部屋で過ごせているか、
園の先生の指示をどの程度理解しているか、
集団行動はどの程度参加できているのかなどをきちんと把握し、
丁寧に保護者に伝えることが大事です。


また、
周囲の子どもたちとの会話の様子や、折り合いなどはどうなのか、
気の合う友達は作れたのかなどの観察も大事です。

毎日の保育園での様子は
これまでの成長過程の大切な記録です。
日常のかかわりのなかで
工夫や配慮で、できていくこともたくさんあったと思います。
このような情報は
とても大切な学校への移行支援の情報にもなります。
お子さんの様子を園の先生と保護者と共有することは、
お子さんの就学先を決めるうえで大切な過程です。


このことは、
保護者への信頼関係にもつながると思われますし、
就学にたいしてのアドバイスにもなりうるし、
不安もやわらぐと思われます。

就学に対しては、
保護者はとても敏感になっている方が多いでしょう。
一生を決めてしまうかもしれないくらいに
悩んでいるご両親もおられるでしょう。

園の先生は
保護者に次ぐお子さんの理解者であり、応援者でもあります。

そして、園の先生は、
就学先の決定や道筋を決めるのではないという限界をもっていますが、
お子さんが楽しく、
学校生活がスムーズにおくれるようにと
心から願っている一人でもあります。


就学の問題は、
集団が少し苦手なお子さんや、
コミュニケーションが少し苦手なお子さん、
一人ひとり違いがあり
就学先を一概には決めれませんが、
どんなことでも相談してねと
普段からの何気ない言葉かけなどから、
心の支えになってあげるとよいと思います。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


続きまして
ペンネーム お年頃の娘の母 様 より
手記が届いておりますので、ご紹介させていただきます。




『もしかして モテてるってこと?』


娘は高校生です。


学校祭へ行った時の事です。

お昼ごはんを済ませ、
教室の廊下側の窓辺に置いてあるCDで遊んでいた娘のところへ、
一人の男子が現れました。

CDのスイッチを教えてくれたり、
娘の頬を指で触ろうとしたり、
動きがなんだか???


閉会式が終わり、
体育館から教室へ戻る時も、
彼は
そぉっと
娘の隣に並んであるきました。


二人は黙って歩いていました。
(娘は言葉ありませんから、当然なのですが。)

そこへ別の女子が割って入り、
たくさん彼に話しかけ、
話すことがなくなると
立ち去って行きました。


「おやおや?
これって三角関係かしら?」

無粋な母は
観察に余念がありませんでしたよ。

彼は娘を教室まで送ってくれ、
スマートに自分の教室へ戻っていきました。

娘も
何事もなかったように、
またマイスペースへ・・・。


担任のK先生曰く、
毎日
彼は娘の窓辺に訪れ、
CDを触ったりするので、

「Cちゃんに無断でCDを触わってはいけません。」と
注意を受けるとか。

すると彼は、
「Cちゃん ください。」と
頼むのだそうで、

K先生はすかさず、
「Cちゃんは あげられません。」と
お断りしてくれるのだそうです。


先生は
「Cちゃんのお父さんが聞いたらおこるかもよ〜。って
言ってるんですよ。」と
冗談を言っていました。


娘の好きなことを一緒にすることで、
彼は娘と会話しているのでしょうか?


言葉はなくとも、
そのやりとりの中に、

「友だちだよ。仲良くしようね。」

という気持ちを
娘に伝えてくれているのかも知れませんね。


高校生、
ちゃんと青春してるんですね。



ペンネーム お年頃の娘の母


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【セミナー・研修会などの案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。


○平成25年度子どもの心の診療医養成研修
基礎講座
【医療・保健・福祉・教育等支援者の方のみ対象】
主催:福井県・福井県医師会
参加費:無料
 
<学齢期>
嶺北会場
日時:平成26年1月11日(土)18:00-21:00
場所:福井県医師会館(定員70名)
講義1「学齢期の発達障害の気づきと育ちのフォロー」
講師:平谷美智夫氏(平谷こども発達クリニック院長)
講義2「福井県の学齢期の支援システムについて」
講師:福井県高校教育課
 
嶺南会場
日時:平成26年1月25日(土)18:00-21:00
場所:敦賀市プラザ萬象(定員40名)
講義1「学齢期の発達障害の気づきと育ちのフォロー」
講師:川谷正男氏(福井大学医学部附属病院)
講義2「福井県の学齢期の支援システムについて」
講師:福井県高校教育課
 
<成人期>
嶺北会場
日時:平成26年2月8日(土)18:00-21:00
場所:福井県医師会館(定員70名)
講義1「成人期の発達障害の診療のポイント」
講師:小坂浩隆氏
(福井大学子どものこころの発達研究センター特命准教授)
講義2「福井県の成人期の支援システムについて」
講師:足羽ワークセンターパステル
 
嶺南会場
日時:平成26年2月22日(土)18:00-21:00
場所:敦賀市プラザ萬象(定員40名)
講義1「成人期の発達障害の診療のポイント」
講師:大森晶夫氏(福井県立大学看護福祉学部教授)
講義2「福井県の成人期の支援システムについて」
講師:若狭つくし会
 
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。


○発達障害者の総合的な就労支援
主催:JDDネット福井 & NPO法人はるもにあ
日時:平成26年1月12日(日)09:30-12:30
場所:福井県立大学 交流センター3階多目的ホール
講師:高橋亜希子先生(ジョブジョイントおおさか所長)
シンポジスト:伊藤富士雄先生(福井障害者職業センター)
シンポジスト:野村昌宏先生
(福井県発達障害児者支援センタースクラム福井)
定員:120名 
参加費:無料
お問合わせは NPO法人はるもにあ まで
0776-97-5731


○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。

主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

1月15日(水):福井(県立図書館)
1月16日(木):勝山(すこやか)
1月17日(金):敦賀(あいあい)
3月5日(水):福井(県立図書館)
3月6日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月7日(金):敦賀(あいあい)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜16:30の
フリータイム制となっております)
※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。


○自閉症スペクトラム支援基礎セミナー2014
「自閉症スペクトラムを理解し、支える」
主催:福井県自閉症協会
日時:平成26年1月19日(日) 13:30-16:30
場所:福井県社会福祉センター4階研修室
 
医療の立場から「うちの子、本当に発達障害なの?」
講師:津田明美氏(福井県こども療育センター主任医長)
 
療育の立場から「子どもたちのイキイキとしたくらしを支えるポイント」
講師:内田彰夫氏(合同会社ぽると代表)
 
資料代:500円(ただし福井県自閉症協会会員は無料)
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。


○小児発達障害わかさフォーラム2014
「ADHD治療・教育・支援の為の正しい理解を」
共催:敦賀市医師会、日本イーライリリー株式会社
日時:平成26年3月2日(日)10:00-13:00
場所:ニューサンピア敦賀
特別講演1
座長:宮川和彦先生(みやがわクリニック院長)
演者:中井昭夫先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター特命准教授)
特別講演2
座長:中井昭夫先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター特命准教授)
演者:林隆先生
(医療法人テレサ会西川医院発達診療部発達障害研究センターセンター長)
定員:200名になり次第終了
申込手続き不要
参加費:無料
お問合わせは メール にてお願いします。
nagao_tadayuki@lilly.com
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。


○みんなで舞台に立とう!!シーズン9
主催:「みんなで舞台に立とう」を広げる会 実行委員会
日時:平成26年4月6日(日)など
場所:福井市文化会館、福井県社会福祉センター体育館など
参加費:5000円(発表までのすべてのプログラムを含みます)
対象:県内の特別支援学校や特別支援学級に通う子どもたちなど
募集人数:40人
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。


○ちびっ子研究員募集!
子どものこころの発達研究センターAge2企画では
子どものこころの健全な発達を応援するため、
研究をしています。
現在、
視線計測にご協力いただけるお子様(5ヶ月〜5歳児さん)を
募集しています
※詳しくは
スクラム福井HP ちびっ子研究員募集! をごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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