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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 7 Dec 2012 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.7
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 

 いよいよ12月、今年もあとわずかとなりました。皆さま平成24年はいかが
お過ごしだったでしょうか。来年は巳年、ヘビのようにうねりながらも、着実に
前進していきたいですね。
 それではメールマガジンスクラムネット、7回目のリレーエッセイは福井大
学 子どものこころの発達研究センター「こころの地域ネットワーク支援室」
特命准教授 中井昭夫先生よりエッセイをお送りさせていただきます。

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【リレーエッセイ第7回】
福井大学 子どものこころの発達研究センター 
「こころの地域ネットワーク支援室」特命准教授 中井昭夫

「身体の困り感に気づいてあげて」当事者研究から見えてきたもの・・・

 皆様、こんにちは。いつも大変お世話になっております。福井大学子ども
のこころの発達研究センターの中井です。まずはこれまでのエッセイご執
筆の先生方に習って、簡単に自己紹介をさせていただきます。
 私は福井県出身で、高校3年の医学部を目指していた時に、ちょうど(旧
)福井医科大学ができ、その1期生として入学・卒業しました。もともと小児
科医になるつもりで医学部に進んだので、迷いもなく小児科に入局し、早い
もので4半世紀以上過ぎてしまいました。途中、カナダのモントリオール神
経研究所病院に2年間留学させていただきましたが、これが福井から飛び
出した唯一の期間という根っからの福井っ子です。カナダでは、うつ病や強
迫性スペクトラム、心身症、てんかんなどにおける脳内セロトニンの研究を
行いました。帰国後、医学部附属病院小児科で専門外来として「神経・発
達・子どものこころ」の診療をほそぼそ行なっていましたが、この度、ようや
く悲願の「子どものこころ診療部」が開設され、児童精神科医含めスタッフ
も大変充実し、完全予約制ではありますが、お電話で予約が可能で、より
多くの方に気軽に受診していただけるようになったのではと思っています。
そのような日々の診療や、当事者・支援者と福井大学の専門家とで設立し
たNPO法人AOZORA福井での様々な当事者や保護者とのお話の中で「当
事者にとって、日常の問題の多くは、対人関係以前の、感覚や不器用など
身体の問題である」とお聞きすることが多くあります。これらについては、以
前からテンプル・グランディン先生やニキ・リンコさんなど様々な当事者の
語りの中にも登場していますし、最近では、東大の綾屋紗月さん、熊谷晋
一郎先生たちは「当事者研究」から「自閉症の本質は、実は身体感覚や視
聴覚等の情報統合の困難で、その結果、ある条件下で対人関係上の困難
が生じうる」として「情報のまとめあげ困難説」ということを提唱されていま
す。綾屋さんによれば、人の顔を観ている時も、「目、鼻、口、耳というパー
ツ」や「目尻の下がり具合」「髪の質や色合い」「表情や体の筋肉が動くパタ
ーン」「猫背の角度」まで本当に詳しくわかっているけど、それを「一人の人
」としてまとめあげられないそうです。すると、その相手の方の体調でたまた
ま顔色が悪かったり、目の下にクマなどができていると、もう「目の前の前
にいるこの人」が「私の知っているこれまでのその人」と同じ人なのか分か
らなくなってしまい、「怯えてしまう」という日々を過ごされているそうです。
 また、私の知り合いの当事者の方は、「面接の時には姿勢をよくしなさい
」などと言われると、背中や腰の筋肉の力の入れ具合や関節の位置や角度
に意識が集中してしまう、でも、どう調整していいか、かえって混乱してしま
い、更に、「顔や目を見て話しなさい」などと言われると、綾屋さんによる「ま
とめあげ困難」や「感覚飽和」という状態も重なって、とても相手の気持ちを
読んだり、会話のキャッチボールなどできなくなってしまうそうです。先日、
AOZORA福井の「発達凸凹フェスタ」で当事者の親子をお招きし、肯定的支
援のお話をしていただきましたが、その中でもやはり、感覚過敏など様々な
身体のことについてのご苦労や、それらからくる二次障害についての語りが
ありました。
 このように、発達に凸凹のある方では、いろいろな感覚過敏や鈍麻など含
めて感覚や身体の調整など「身体の問題」は日常生活の大きな困難になっ
ているのですが、家族や支援者など周囲も、更に、ご本人自身もこれらの
ことに気づかずに、ただただ身体の問題が「社会性・コミュニケーション」の
困難さになっていることも多くあります。
 そのようなわけで、私は、ここ数年、いわゆる「不器用」の問題について取
り組んでいます。「不器用」とは、視知覚・触覚・固有覚・位置覚など「身体の
感覚」の入力から、その出力である運動調整までの「脳機能」である「協調」
の問題で、「発達性協調運動障害(DCD)」と呼ばれています。DCDの頻度は
約10%と多くの方が困っており、また、ADHDや学習障害の約半分、自閉症
スペクトラムでも約4割程度の方がDCDを併せ持っていますが、日本ではこ
のDCDに関する認知は低く、気づきのためのアセスメントツールもありませ
んでした。そこで、現在、複数の国際共同研究でこれらの日本版を開発して
います。環境問題で ”Think globally、Act locally” という言葉がありますが
、私は「世界的な視野で考え、目の前の子ども・福井のために働く」だけでな
く、”Think locally、 Act globally” 「目の前の子ども・福井のことを考えれば
、世界的に行動せざるを得ない」の両方を信念に活動しています。また、辻
井先生らのグループにより、感覚の問題についてのアセスメントツールの日
本語版も開発中とのことです。更に、近年、水泳やダンスという協調など身
体を通じての療育の効果の研究も見られるようになってきています。このよ
うな流れから、今後、身体の問題という視点から、「困り感」への気づきや、
支援のあり方、療育方法の開発などが生まれてくるのではと感じています。
 ところで、ある方から「当事者」という言葉は、何かネガティブなイメージが
あるため、他にいい呼び方がないか、という貴重なご意見をいただきました
。世の中には「ステークホルダー」という言葉もありますが、何か違うような
気もしています。みなさん何か明るく元気が出るようないい言葉があったら
ぜひお願いいたします。

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【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

 続いてお送りするのは保育士のための事例で考える発達障害児へのワ
ンポイントです。園でのいろいろな活動のなかで、保育士さんたちが気がか
りになることも多いと思います。具体的な支援法を身につけるために、さま
ざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。以下事例を参考に、
少しでもお役にたてていただければと思います。

Q:発達障害の4歳の男児ですが、偏食が強く給食のときに困っています。
どのように対応したらよいでしょうか。

A:味覚、触覚、臭覚、視覚、聴覚など、ある感覚に対してとても敏感な子ど
もたちに出会います。これは、発達障害の特徴ですが、刺激の受け止め方
によってはかなり抵抗を示すことがあります。口の中が敏感なためある食
べ物の触覚をいやがったり、冷たい熱いということに異常にこだわったりす
ることがあります。また、おかずには全く手を出さず、白飯しか食べないとい
う子もいます。食べさせると吐くこともあり、本人は辛いので、無理強いをし
ないようにしなければなりません。食べず嫌いのこともありますし、生理的に
食べられない子もいます。かなり食事に偏りある場合には、成長・発達面に
おいて心配になり、何とか食べられる物を増やしていきたくなります。本人に
過剰なストレスがたまらないように、原因に合わせた段階的な対応が必要に
なります。家での対応なども家族に聞きながら、また、家族の方と相談しな
がら対応を考えることが必要になります。
 嫌いな食べ物をすりおろして料理に混ぜるなどは一般的におこないます
が、一緒に煮込んで盛り付けるときに取り除いて香りから慣れさせる方法や
、みじん切りにして料理に混ぜるなどして少量から慣れさせる方法もありま
す。目標を低めに定め、達成感があるようにスモールステップで少しずつ食
の幅を広げて頂きたいと思います。多くの子はそれで少しずつ食べられるよ
うになってきますし、食べてみたらおいしかったという経験によって、いきなり
好きなものに変わってしまうこともあります。
 偏食を直そうとする考え方として、栄養的に他の食べ物でカバーできるよ
うな場合は、他のものを提供して、本人にストレスがかからないようにする
ことも大事だと思います。また、本人に運動をさせてお腹をすかせたり、料
理の本を見ながら食事の支度を一緒にしたり、買い物リストを作り、食材を
一緒に買いに行ったりと、食べる以外のところから考えることもいいのでは
ないでしょうか。しかし、発達障害のある子の場合は、なかなかうまくいかな
いケースが多いです。ただ、関わり方の基本はほかの子と同じですから、
スプーンのちょっと先だけとか、ほんのひと口から始めるなど、段階を細かく
しスモールステップから始めましょう。焦らず、無理強いをせず、時間をかけ
て取り組んでください。
 
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【情報・話題提供】
NPO法人はるもにあ より機関のご紹介とお知らせがございます。

 こんにちは!NPO法人はるもにあです。私たちは、発達障害児者の支援
を行っている機関です。

 福井県における発達障害児者に対する理解・支援は、平成17年4月の発
達障害者支援法の施行、平成18年10月の福井県発達障害児者支援センタ
ー(スクラム福井)の開所、および平成19年度から特別支援教育が導入さ
れたことなどによって徐々に進んできました。発達障害児者に共通する特
性として、「対人関係の取りにくさ」と「円滑なコミュニケーションができにくい
」ことがあげられます。このような特性によって、彼らは教室内で友人がほと
んどできない、集団行動が取りにくい、対人関係上でトラブルを起こしやす
いということが起きます。このような特徴を持つ彼らに対する支援としては、
幼児期は集団嫌いにならず、基本的な生活習慣を身につけながら他児と一
緒に動けるようになること、小学校時代は基本的な学習スキルを身につけ
、基本的な集団のルールを守れるようになること、中学校時代は自分が周
りとは異なっていることに気づきますが、その中で自尊心を維持して生活し
ていくこと、高校時代以降は自分のハンディを理解して、自分の持っている
能力でハンディを補うよう自覚して行動すること、また就労へ向けての意識
を培うことなどがポイントとなります。このように、発達の各時期にこなすべ
き課題は異なっています。現在の特別支援教育は、時期毎に適切な支援を
行おうと動き出していますが、移行期の支援は不十分であるのが現状です
。各時期に行われた有効な支援が上手くつながっていかなければ、新しい
段階で一から支援を始め直さなければいけなくなり、それまで受けてきた支
援が無効になってしまいます。幼少期から受けてきた支援を有効につない
でいくためには、適切な「移行支援」は是非とも行われるべきであり、さらに
言えば、各時期を一貫して支援する機関が存在する方が移行支援もスム
ーズになります。
 ところで適切な教育を受け続ければ発達障害児の学校内での適応は良
くなり、高校時代には一見すると普通の生徒と変わらない状態となることも
まれではありません。しかし、学校を修了して就労をしようとする時、あるい
は会社に就職しても長く働き続ける際に不適応を起こす人が多く、一見「普
通」に近づいているようでも、対人関係の取りにくさなど障害の基本特性は
変わらず残っています。この点について保護者は気づきにくいので、専門
家が継続して指導する必要があります。この点からも長期的な視点を持っ
た専門的な機関が継続して関わる必要が認められます。
 以上から分かるように、発達障害児者の支援は個人毎に同一の方針を持
った支援者が継続して関わり続ける必要があります。発達障害児者の長期
にわたる継続した支援を様々な形で行うために、はるもにあは、平成23年夏
にスタートいたしました。

<はるもにあでは、2つの事業を行っています。>
●はるもにあ【相談支援事業所】
 発達障害の(もしくはその心配がある)方や、そのご家族の日常生活での
心配事についての相談、関係機関との連携などを行っています。また、利
用できる福祉サービスの紹介や、サービスを利用していくための計画や、担
当者同士の協議も行っています。
 不定期ですが、保護者同士が話し合える場として、保護者会も行っていま
す。
 対象:福井市在住の幼児から成人までの方・またはそのご家族の方、発達
障害児者の支援者や、関係機関で働いている方
 
●そだちさぽーとくらぶ【地域活動支援センター】
 幼児、小学生は少人数グループで活動を行っています。ゲームやディス
カッションなどを通して、受け入れられ感作りと、対人関係上のルールを学
ぶことを中心に活動しています。
中学生、高校生は、居場所としてのサロンを開設しています。また、成人サ
ロンも、ご要望があれば開設しています。
 対象:福井市在住の知的に遅れのない発達障害と診断されたことがある
方(幼児から成人まで)。または、発達障害の心配がある方

 関係する機関などと連携しながら、「はるもにあ」(ギリシャ語で「調和」の
意味)にふさわしいように、発達障害児者が社会の中でうまく他の人たちと
調和しながら暮らせるように、本人を支援する人々がつながっていくことを
願って!

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【セミナー・研修会などの案内】

それでは今年度開催予定のセミナー・研修会予定の情報についてお知らせ
いたします。

○障害者虐待防止講演会「障害者虐待防止法はなぜ必要なのか」
主催:大野市、勝山市、奥越地区障害者自立支援協議会
日時:平成24年12月20日(木) 13:30〜15:30 
場所:結とぴあ(大野有終会館)201・202号室
講師:野澤和弘氏(毎日新聞論説委員)
お問合わせは 大野市市民福祉部福祉こども課社会福祉係 まで
0776-66-6631(内線151)
※詳細は スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。

○精神保健福祉講演会「顔が元気!こころが元気!」
主催:福井県精神保健福祉センター、福井県精神保健福祉協会、(社)日本
精神科看護技術協会福井県支部
日時:平成24年12月15日(土) 13:00〜16:00 
場所:福井県立図書館 多目的ホール
講師:前田紘一氏(顔学インストラクター)
お問合わせは 福井県精神保健福祉センター まで
0776-26-7100

○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの
集まりを定期的に開催いたしております。日ごろのお子さんの様子や子育
ての悩み、保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、親御さんの仲間
づくりのお手伝いができれば・・・と思っています。
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
1月16日(水):福井(県図書館)
1月17日(木):大野(結とぴあ)
1月18日(金):敦賀(あいあい)
3月13日(水):福井(県図書館)
3月14日(木):勝山(すこやか)
3月15日(金):敦賀(あいあい)
各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
※詳しくは スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ をごらんください。

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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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