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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 3 Mar 2017 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.58
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 



【もくじ】
1..... リレーエッセイ
社会福祉法人ウェルビーイングつるが
福田 晋介 理事長 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



寒さもずいぶんと
和らいできましたね。

3月に入りました。
今年度も残り1か月となり、
お忙しい日々を過ごされている方も
いらっしゃることだと思います。

はやく春本番を迎えて
のんびり過ごしたいところですね。


それではメールマガジン スクラムネット、
58回目のリレーエッセイは

社会福祉法人ウェルビーイングつるが
福田 晋介 理事長 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【リレーエッセイ】

社会福祉法人ウェルビーイングつるが
理事長 福田 晋介

平成16年に
知的障害者の通所福祉サービス事業所「野坂の郷」を立ち上げ、
平成18年より
福井県発達障害児者支援センター「スクラム福井」を
運営しています。

自閉症の子供を授かり、
障害の子供と共に施設を建設したいと思った当時のことを
振り返ってみたいと思います。



1. 障害の受容


平成3年12月、
3人目にして初めての男の赤ちゃんが
我が家に生まれました。

いたって健康で、
家族楽しく日々を送っておりました。

遼(りょう)が生まれて3ヶ月をすぎた平成4年3月に、
私は以前勤めていた会社を退職して独立し、
会社を始めました。
会社の準備などで忙しい毎日でした。


長男りょうはあまり泣かず
親の手をあまり必要としませんでした。
11か月の終り近くに歩けるようになりましたが、
なぜだかいつもつまんなさそうな表情が気になりだしました。

又、1歳の誕生日の頃からは
目線回避のことに気付き、
又笑わない、泣かないという点に
疑問を感じていました。


それからというもの、
りょうが同世代の子供と違うと思い始めたら、
日一日一日と
親の思考は深い迷路の中に入っていくようでした。


自閉症という名の病気(この頃は、
自閉症は病気であり
治療を受ければ治ると思っていました)を、
良い先生に一日でも早く治してもらおうと思って、
福井医科大をはじめ、
福井総合病院、
聖マリアンナ医科大学病院、
名古屋大学病院と、
どこへでも伺うといった心の状態でした。



自閉症はわかったけど、
治療はどうしたらいいのか、
親としてどうしたらいいのかと、
毎晩毎晩
夫婦で泣きながら語り合いました。

でも
結果は出るはずもなく、
悲しみで何がなんだかわからぬ日々が続きました。

他の子供と見た目は変わることなく、
体はいたって健康で、
一見何が障害なのか
私自身も最初は子供の障害を、受け入れることが出来ませんでした。

りょうが自閉症でないかと妻に告げられ、私自身が
その障害を、妻と一緒に夫婦で受止めようと思い始めるのに
半年の月日があったのではないかと思います。

自閉症の子供を持った母親が、
その障害に悩みはじめ、
父親がその障害を正しく受止め、
そして
家族でりょうを受止めることが出来たとき、
そこには口で表現できない
大きな家族のきずなが出来上がります。




2. 人との出会い


いろんな病院に通って、
良い先生にたくさん出会いました。
そして
平成7年3月、
私たちにとって、
ひとつの大きな出会いがありました。

名古屋大学病院から紹介されてお伺いした、
名古屋市千種区にある
母子通園施設「さわらび園」でした。

そこには、
私たちが今まで味わったことのない暖かさと
居心地良さがありました。

そして、
2年間、1週間に2〜3回、
敦賀から高速道路を使って名古屋まで通いました。

今思えば、
「藁をもつかみたい」
そういう気持ちだったのでしょう。


まず驚いたのが、
6ヶ月間おしっこを子供に教えようとしていたことを
(この時期のりょうは
理解力はほとんどないために、
このおしっこのことで
ここに通う前は、
私たち親子はもうパニック状態にありました)、
3回目に通ったときに相談したら、
「じゃ、今日いい方法があるのでやってみましょう」
ということになりました。

それで、
おしっこのしたくなる時間を見計らって、
トイレヘ連れていき、
便器に座らせ
おちんちんにぬるま湯をかけました。

そしたらおしっこがでたのです。

6ヶ月間どのようにしたら
この子どもに、
トイレでおしっこをすることを教えることが出来るかと
悩んでいた私は、
子供の
便器に座っておしっこをしている姿を見て、
みんなの前で涙を流したのを、
昨日のことのように覚えています。



そんな始まりで、
2年間のうちに、
その園の中で父親たちとの繋がりが出来ました。

その園は30年ほど障害児教育に携わり、
卒園の父親たちが中心になって会を作ります。

まず、
障害児の年齢によって、親の考えも違うし、
目的意識も当然に違ってきます。

従って、
子供の年齢によって会を区別して、
父親の会もこの子供の年齢の区別によって
運営していかなければならないとの考え方があります。


6,7年に一回父親の会が作られ、
私たちが作った父親の会「あしたばの会」は、
その園では3つめとなりました。

1番目が「あらくさの会」、
2番目が「かわせみの会」、
3番目が「あしたばの会」です。


その父親の会では、
まず施設建設の資金作りから始めます。

毎月3万円ずつの貯蓄です。

30人ぐらいの会員ですと、
15年間で30人×3万×12ヶ月×15年=約1億5千万円たまります。

この資金でもって
行政を巻き込んで、施設作りをします。
ここに最終の目的があります。

この「さわらび園」に通い始めたときに、
親たちは自分の子供たちの将来について考え始めるのです。



3. 子供の成長の中に


私には3人の子供がいます。
りょうの2歳上と4歳上の姉です。

2人はいたって健康でかわゆく(親馬鹿ですね・・)、
頭もまあ普通で、
いろんなこともそこそこ出来ます。

従って、
ひとつひとつの子供たちの成長は当たり前のことで、
いつの間にか子供たちは成長してしまっていると言う感じでした。

しかし、
りょうはどうだったのでしょうか?

今現在りょうは23歳ですが、
言語もなく、
知的に1歳程度ぐらいでしょうか、
うまく人とのコミュニケーションがとれません。

いろんな成長に多くの時間を費やさなければなりません。

前に書きましたように、
トイレでおしっこをすること自体に
6ヶ月以上もかかり、
大便は今も完全ではありません。

スプーンをもてるようになるのでさえ時間がかかり、
自分でご飯が食べられるようになるのも
大変時間がかかりました。

でも、
上の子供たちには当たり前だった成長が、
りょうにとっては、ひとつひとつが止まって、
親の目から確実な成長として捉える事が出来ました。

そして、
小さな小さな成長が、
私たち親にとっては、
感動し涙が出る成長でした。

普段の子供の成長の中で、
涙を流し、
そして感動するような成長を
味わうことができるでしょうか。


障害を持った子供を持つことが、
悲しみではなく
喜びへと変わっていきました。



こんな思いを、
障害のあるみんなで共有できる地域を作りたい、
そんな想いが
施設つくりの第一歩だったのです。




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【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:保護者の中には、
子育てに一生懸命取り組まれる方も多いのですが、
保護者から「療育機関と同じような対応をしてほしい」と
言われる場合があります。

例えば・・・
「療育機関で使っている、この教材を園や学校でもやってください。」とか
「療育機関では、個別対応を受けているので、
特別な時間を作って、個別対応してほしいです。」、
「療育機関では、ご褒美として
息子(娘)の好きな○○チョコレートを
おやつに出しているから
園や学校でも出してあげてほしいです。」などなど。

そんな時、どうしたら良いか教えてください。



A:まず、
療育機関ではどのような対応なのか、
どのような取り組みをしているのか、
保護者のお話を聞いて教えていただくようにしましょう。

“このような対応、園や学校ではできるわけない!”と思っても、
まずは、保護者のお話を聞くことで、
保護者は、
「先生方、聞いてくださった!」
「受け入れてくれた!」と
安心されるのではないでしょうか。


お話を聞いたあと、
できないと思ってもすぐに断るのではなく、
「園内、校内の職員とも話し合って、
検討してから回答させていただきますね。」
「園長(校長)とも相談してみようと思いますので、
お時間いただけないでしょうか。」
といった具合に
一度持ち帰ると良いのではないでしょうか。



もし
断らなければならない時には、
対応できない理由を保護者に伝えましょう。


その際、
園や学校でできることであれば、
療育機関の情報も活用したいということを併せて、
保護者にお伝えしましょう。
そのことにより、
園や学校と療育機関が連携できると思いますし、
お子さんの行動で気になることがあれば、
療育機関の担当者に
アドバイスを求めることもできるのではないでしょうか。



ここで、
保育園や学校と療育機関の
違いって何だろう??ということについて
考えていきましょう。


保育園や学校は、
多くの友達をかかわることで、
社会性や集団性を身につけて
発達していくことが目的のひとつなのではないかと思います。

それに対して、
療育機関は、社会的に自立するために
一人一人に応じた支援をする所です。
医師、保育士、理学療法士、
作業療法士、言語聴覚士、児童指導員など
さまざまな専門に長けたスタッフがいて、
障害特性に応じて、
きめ細やかな支援を行うことを
目的としているのはないかと思います。



療育機関が行っている支援で、
保育園や学校が取り入れることができる可能な支援として、
次のようなものが考えられます。

1. 絵カードやスケジュール表などを使って、
視覚的に伝える支援。

療育機関でも行っている支援ではありますが、
保育園や学校でも実践できるのかなと思います。
ただ、
先生方もお忙しいとは思いますので、
無理のない範囲で
絵カードやスケジュール表を作っていきましょう。
作り方について、
療育機関のスタッフさんと
情報交換できると良いですよね。


2. クラスの子どもたちに一斉指示したあと、
個別に指示するといった個別支援。

特別な時間を作って、個別支援というのは、
難しいと思いますが、
個別に指示であれば可能な支援なのかなと思われます。


3. 環境に配慮した支援。

例えば、
気が散りやすく指示が入りにくい子は、
座席を前の方にして、
先生の目が行き届きやすいようにしてみてはどうでしょうか。



今回のポイントとして、
保育園や学校で対応が難しいことを保護者から要求された場合の対応を
どうしたらいいのか?
すぐに断るのではなく、
まずはお話を聞くようにしていく。
そこで、できないと判断されたものについては、
できない理由をお伝えしていきましょう。

療育機関とまったく同じ対応はできなくても、
療育での様子や
お子さんの状態を教えていただいて、
保育園や学校でできることは
少しでも参考にして取り入れていき、
お子さんや保護者が嬉しい気持ちになると良いですね。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成29年
3月8日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月9日(木):大野(結とぴあ)
3月10日(金):福井(福井市保健センター)


各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
を、ごらんください。




○子どもの心の診療医養成研修〜フォローアップ研修〜
平成25年度からスタートした子どもの心の診療医養成研修ですが、
受講後のフォローアップを目的として、
下記のとおり研修会を開催します。


日時 3月5日(日) 9:00〜12:00
場所 武生商工会議所 3階会員サロン

内容 第1部(9:00〜10:20)
1. かかりつけ医からの発達障害者診療について
【中山クリニック 中山 真里子先生】
2. 発達障害支援施策と発達障害者支援センターの役割
【スクラム福井 伊原 豊志 副センター長】

第2部(10:30〜12:00)
3. 症例検討〜医療機関と連携した症例について〜
【事例提供:スクラム福井】
【助言者:福井大学子どものこころの発達研究センター 小坂 浩隆先生】
【助言者:こども療育センター 津田 明美先生】

参加費 無料
主催  福井県

参加をご希望される方は、福井県障害福祉課(0776-20-0634)まで
お電話にてお申し込みください。
※この研修会は医師が対象ですが
保健、医療、福祉、保育、教育関係者の方の聴講が可能です。
定員を超えた場合はお申し込みをお断りする場合があります。



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の母とお子様の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
子育て中の『お母さん』か?
意図せす?とも発揮している『脳の働きの不思議』を
MRI検査で調へ?る脳科学研究への参加者を募集しています。 

※詳しくは http://tomoda.me/resources/Youikunou_MRI_recruit.pdf を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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